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【矢板明夫の中国点描】胡錦濤氏長男が送る“人質”人生 習派と胡派の戦いが続くなかで

 香港メディアはこれまで、何度も海峰氏が党の規律部門の調査対象になったと報じた。いずれも習派が意図的に流した情報とみられ、胡錦濤氏とその周辺に「いうことを聞かなければ、海峰氏を逮捕する」と脅すのが目的といわれる。

 父親の転勤先である甘粛省生まれの海峰氏は、大学院卒業後、国有企業職員を経て、警備システム開発会社大手「威視」の社長となった。父親の影響力を利用して多くの利権を手にし、すねに傷があるのも事実のようだ。08年の北京五輪で、テロ対策として北京市内の地下鉄駅やホテルなどに安全検査機器が設置されたが、その大半は威視が製造したもので、入札をめぐって不正があったと指摘される。翌年、アフリカのナミビアで高官への贈賄容疑で同国警察の捜査を受け、同社のスタッフが逮捕された不祥事も発生している。

 海峰氏が実業界から引退したのは、習氏による反腐敗キャンペーンが自らに及ぶことを警戒したためだといわれる。以降は経済界との付き合いを断ち、メディアへの露出も避けるようになった。17年11月、習氏は嘉興市を訪れ「党創建の初心を継承すべきだ」との講話を発表したが、海峰氏はすぐに同市幹部を集め「習主席の講話を学ぶことはなによりも大事なことだ」と訓話し、忠誠を誓っていたことも一時話題となった。

 内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電によれば、海峰氏は06年ごろ、父親の政敵による暗殺のターゲットとなったが、暗殺は未遂に終わったという。詳細は不明だが、海峰氏はその後、単独で外出することはほとんどなくなったという。

 党中央で習派と胡派の戦いがこれからも続くとみられる。海峰氏は今後も薄氷を踏む人生を歩み続けるだろう。(外信部次長)

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