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【赤字のお仕事】「万引き家族」と「万引」表記 「き」のあるなしが気になります

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 この「送り仮名の付け方」の中で、通則7に「複合語のうち、次のような名詞は、慣用に従って、送り仮名を付けない」というくだりがあり、例(2)では「一般に、慣用が固定していると認められるもの」でいくつかの語を示してあります。

 しかしその中には「万引」がありません。そして注意(2)で「例として挙げたものだけで尽くしてはいない。したがって、慣用が固定していると認められる限り、類推して同類の語にも及ぼすものである」としてあります。

 この「類推して同類の語にも及ぼす」から、「サンケイ用語集」では例の中に慣用が固定している語として、新たに「万引」を入れたと思われます。それから45年以上もの間、産経は「万引」と表記しています。

 「万引」は刑法の罪名でいえば窃盗罪に当たり、決して軽い罪ではありません。似たような犯罪行為では、置いてある他人の荷物などを持ち去る「置引」というのもあります。こちらも「万引」と同様に、「置引」「置き引き」でマスコミ各社の表記が分かれています。

 「万引」と「置引」。いずれの表現も刑法上の用語ではないため、それぞれの社の判断で分かれてしまっているのです。

 「万引き家族」という題名を見るたびに、「き」の送り仮名にまず目が行くのは、校閲という職業柄なのでしょうか。(な)

 【赤字のお仕事】校閲部記者が、日ごろの編集業務で体験した興味深いエピソードや豆知識をつづったリレーエッセーです。

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