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【正論7月号】文在寅、自由の破壊 いよいよ韓国の赤化が始まった 元韓国駐日公使 洪●

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 朴槿恵大統領に重刑を言い渡すために共犯として起訴されたサムスン電子の李在鎔副会長は、二審の執行猶予判決で釈放された。すると、執行猶予を言い渡した判事の罷免を求める「国民請願」が出され、賛成者が二十万人を超えるや、大統領府はこれを「国民の意思」として判事を処分するよう大法院(最高裁)に通告した。裁判官の身分保障を規定した憲法条項まで大統領府が「国民の意思」として踏みにじるわけだ。

 文在寅政権がこのように反対派粛清に懸命なのは、国民の抵抗がもっと大きくなる前に、米国はじめ国際社会から正体を見抜かれ対策を立てられる前に、韓国を社会主義化し南北連邦制を実現したい焦燥感からなのかも知れない。

 「文在寅・ロウソク革命政権」発足後一年間の決算が文在寅-金正恩による四月二十七日の板門店宣言だ。宣言の内容は報道されたが、その意味を正確に伝えた媒体はなかった。「北韓の非核化」を「平和」をもって糊塗してしまった。文在寅と金正恩の板門店宣言がなぜ韓国の国家的自殺なのか、その理由はこうである。

北主張を奉る板門店宣言

 板門店宣言は、二〇〇七年に任期満了四カ月前の盧武鉉大統領が金正日と合意した「十・四南北共同宣言」をそのまま継承したものだ。「十・四宣言」とは何か。一言でいえば、金日成が一九八〇年十月の第六回朝鮮労働党大会で発表した「高麗民主連邦共和国創立方案」の実践宣言だ。金日成の提案は「連邦制の先決条件」「連邦政府の構成及び運営」「連邦政府の十大施政方針」で構成された。

 北の統一方案は、この時から変わっていない。金日成は「自主的平和統一のための連邦制」の先決を挙げ、まず南韓政権の清算および韓国社会の民主化(共産化)の具体方途として、国家保安法の廃止、共産党を含むあらゆる政党や社会団体の合法化と政治活動の保障、南韓政府の民主政権(人民政権)移行などを例示した。

 二つ目の先決条件は、緊張状態と戦争の危険の除去の具体的な実行方途として、停戦協定の平和協定への移行と駐韓米軍の撤退を挙げた。先決条件の三番目は、米国や韓米同盟などを排除した自主、平和、民族大団結だ。

 金日成は統一後の連邦政府の十大施政方針も提示したが、これをほぼそのまま反映したのが盧武鉉と金正日の「十・四宣言」。つまり「十・四宣言」は南北韓間で協議した結果ではなく、北側が準備した文書に盧武鉉が署名のみをしたものだ。この南北首脳会談を準備した責任者がまさに盧武鉉大統領の秘書室長だった文在寅だ。

 文在寅は自叙伝で、この「十・四宣言」が政権交代で実行されなかったことを残念がった。今回の板門店宣言は、十一年前の宣言内容を忠実に確認し直したに過ぎない。つまり「板門店宣言」は金日成の高麗連邦制実行を改めて誓った文書なのだ。もちろん大韓民国憲法の許容範囲を遥かに超えた。

 では金日成はなぜ、連邦制の先決条件として国家保安法廃止を打ち出したのか。韓国の国家保安法は、憲法の核心価値である自由民主体制を護持する唯一の法的装置、憲法と分離することのできない、いわば憲法そのもの。そして、この国家保安法を執行し、朝鮮労働党の韓半島赤化革命を阻止する中枢機関が国家情報院だ。だから、韓国の自由民主体制を破壊するには、国家保安法だけを廃棄すれば済むのだ。

 文在寅は権力を掌握するやまず国家情報院の無力化に出た。国家情報院廃止には国家情報院法改正が必要だが、国会の与党議席数が足りないため法改正はできなかった。そこで文大統領は業務を停止させ、経験豊富な要員たちを退職させる方法で国家情報院を完全無力化。国家情報院の残存能力と情報は保守派粛清に利用している。

 さらには情報業務の不適格者を組織に入れて、朝鮮労働党との冷戦を戦えない組織にしていると専門家は見ている。国家情報院の解体作業を指揮する国家情報院改革委員長は、親北・反国家人事で有名な丁海亀だ。

 こうして今回の「板門店宣言」では金日成が三十八年前に提示した先決条件がほとんど充たされた。残る停戦協定の平和協定移行と駐韓米軍撤退が実現すれば、北がめざす高麗連邦は実現するわけだ。

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