産経ニュース

【びっくりサイエンス】鳥に食べられ卵を運ばせる? 飛べない昆虫ナナフシ、命懸けの生息域拡大作戦

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【びっくりサイエンス】
鳥に食べられ卵を運ばせる? 飛べない昆虫ナナフシ、命懸けの生息域拡大作戦

ヒヨドリの糞から採取された卵から孵化したナナフシモドキの幼虫(末次健司・神戸大特命講師提供) ヒヨドリの糞から採取された卵から孵化したナナフシモドキの幼虫(末次健司・神戸大特命講師提供)

 実際、オーストラリア東方沖のロードハウ島の固有種で、約100年前に絶滅したと思われていたロードハウナナフシが、同島から約20キロ離れた小島で生息していたことが昨年、確認されている。

 また、長野県安曇野市では、以前は生息の確認すら珍しかったナナフシモドキが数年前から突然増え始めた。昨夏には大発生し、山間部のケヤキの葉を食べ尽くすなどの被害が出た。同市の担当者は「ナナフシモドキをカラスが食べているのを見たことがある。なぜ急に増えたのか、どうやって運ばれてきたのか不思議だったが、鳥の捕食と何らかの関係があるのかもしれない」と話している。

 移動能力に乏しいと思われる生物が、どのように長距離移動を果たしたかは、古くはダーウィンをも悩ませた難題だ。末次特命講師は「今後、ナナフシの遺伝子を集団的に解明し、共通の遺伝子を持ったナナフシが、鳥の渡りのルートに一致して現れるかどうかや、鳥に種子の分散を託す植物とナナフシに、遺伝的に類似したパターンがみられるかなどを調べていきたい」と話している。(科学部 伊藤壽一郎)

このニュースの写真

  • 鳥に食べられ卵を運ばせる? 飛べない昆虫ナナフシ、命懸けの生息域拡大作戦
  • 鳥に食べられ卵を運ばせる? 飛べない昆虫ナナフシ、命懸けの生息域拡大作戦

「ニュース」のランキング