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【めぐみへの手紙】期待と絶望を重ね迎えた「大切な時」 心静かに成り行き見つめたい

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【めぐみへの手紙】
期待と絶望を重ね迎えた「大切な時」 心静かに成り行き見つめたい

母の横田早紀江さんに抱かれた双子の弟たちにほほを寄せる当時4歳のめぐみさん=昭和44年、東京都内 母の横田早紀江さんに抱かれた双子の弟たちにほほを寄せる当時4歳のめぐみさん=昭和44年、東京都内

 めぐみちゃん、こんにちは。毎日が飛ぶように過ぎ去り、今年も一年の半ばを過ぎようとしています。季節の移ろいは早く、木々の緑は濃くなり、梅雨を迎え、そして暑い夏の気配が迫ってくるように感じます。

 家の周りにはきょうも、あなたが大好きな色とりどりのきれいな花が咲き、心を明るくしてくれます。めぐみちゃんと一緒に、日本の美しい風景を何も考えず、ただ、静かに眺めたい。ずっと思い続けてきた願いは、募るばかりです。

 お父さんもお母さんも、本当に年を取ってしまいました。拉致被害者の救出を呼びかける写真展などで、めぐみちゃんと一緒に家族みんなで撮った写真を見ると「ああ、こんなに若いころがあったんだ」と、気が遠くなってしまいます。

 いつも明るく、楽しそうに笑い、元気いっぱいだったあなたの姿は、13歳の女の子のままで止まっています。それを取り戻せず、40年も時がたってしまった。怒り、悲しみ、悔しさ。途方もない感情がこみ上げますが、涙は枯れ果て、あなたの救出だけを心に決め、前へ前へと進んでいます。

 厳しく、難しい状況が続いた拉致問題は今、大切な時を迎えています。各国の指導者が歩み寄り、平和について話し合っています。

 ただ、私たち家族はいつも、複雑で理解しがたい政治や国際関係に翻弄されてきました。期待が裏切られて絶望のふちに追いやられたことは幾度もあります。

 つい最近も、一度は決まった米国のトランプ大統領と、北朝鮮の金正恩氏の首脳会談が「中止」と発表されました。そうかと思えば瞬く間に、交渉の場を再び設ける動きが進み、当初の予定通り会談を開催することが表明されました。

 各国の思惑、激しい揺さぶり、熾烈な駆け引き-。私たち庶民に激しい世界の実態が見えるはずもなく、とまどうばかりです。いろいろな方から拉致問題の展望や世界の動きについて問われますが、そのたびにただ、困惑してしまいます。

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