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【矢板明夫の中国点描】時代錯誤の軍服姿で革命聖地を訪問した大富豪たち

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【矢板明夫の中国点描】
時代錯誤の軍服姿で革命聖地を訪問した大富豪たち

騰訊控股(テンセント)の馬化騰会長(AP) 騰訊控股(テンセント)の馬化騰会長(AP)

 中国を代表するインターネット企業、騰訊控股(テンセント)の馬化騰会長や、ネットショップ大手、京東集団の劉強東会長ら数人の著名企業家が6月初め、陝西省にある革命聖地の延安を訪れたニュースが注目されている。

 延安は、日中戦争時の共産党中央所在地だけではなく、習近平国家主席が若い時に農作業に従事した場所でもある。中国当局は近年「共産党の輝かしい業績」を理解するために、全国の公務員や学生らに対し、同地への旅行を推奨している。

 地元メディアは、共産革命時代のゲリラ部隊の軍服をまとい、かつて毛沢東らが1930年代に悪戦苦闘していた跡を見学する企業家たちの写真を掲載。「延安の革命文化を体験した」と説明している。

 46歳の馬氏は改革開放時代に成功した企業家である。大学でコンピューターを学び、98年に共産党幹部だった父親と一緒にテンセントを創業。通信ソフト、ゲームなどを次々と開発し、中国国内の市場占有率を拡大し続けた。米誌フォーブスが3月に公表した世界長者番付では、馬氏の総資産は453億ドル(約5兆円)で世界17位、アジアトップである。

 馬氏の延安訪問の時期は米中貿易摩擦が激化していた。知的財産権問題などを追及される多くの中国インターネット関連企業は、抜本的な経営戦略の見直しを迫られている。多忙を極めているはずなのにわざわざ時間を割いて、観光地めぐりをしたことに違和感を覚えた人が多かった。それに、いつもスーツ姿の大富豪たちが、赤い星の帽章が配された水色の軍服という時代錯誤の格好をしたことも、滑稽にみえた。

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