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【正論6月号】イラク日報に「戦闘」何が悪い 参議院議員、元自衛隊・イラク復興業務支援隊長 佐藤正久 激白

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 「戦闘」というのは幅の広い概念です。小グループ同士のぶつかり合いや部族同士の争いを「戦闘」という人もいれば、国と国との衝突までも「戦闘」といわれます。一方、今の憲法9条の下で問題とされるのが「戦闘行為」で、これは国または国に準ずる組織が武力衝突するものを指し、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為を言います。そういう「戦争行為」のある場所に、自衛隊が国際貢献で行くわけにはいきません。私の知る限り、そうした「戦闘行為」はわれわれが派遣されたイラク南部のサマワではありませんでしたし、国際性、地域性、計画性、継続性を持った国に準ずる組織もいませんでした。

 国会でも議論されているように、PKOの派遣先で国や国に準ずる組織による「戦闘行為」があれば、自衛隊は撤収するということになりますが、部族による小競り合いレベルの「戦闘」であれば一旦、活動を休止・中断して戦闘が収まったら再開する、ということもできるわけです。即ち、サマワは危険がなかったわけではありませんので、民間にかわり自衛隊が派遣されて人道復興支援を行いました。日報を読めば、自衛隊がいかに危険を回避しながら任務を遂行したかがわかると思います。

 ちなみに今回、435日分の日報で約1万5千枚でしたが、日報の分量は部隊の特性によって違ってきます。例えば空自で単なる輸送任務なら、報告事項はそれほどないかも知れません。一方、陸上で住民もいる中で活動するとなれば、報告事項は多くなります。本日、どんな医療活動、給水、道路や学校の補修をしましたとか、加えて明日以降はこんな活動をする予定ですとか、さらには前提となる治安状況、一緒に仕事をしているオランダ部隊や英国部隊の状況も報告に入れておかないと、上級部隊は的確な判断ができません。

 私がサマワにいたときは、だいたい朝の8時くらいから宿営地外での支援活動を開始していて夕方5時頃に宿営地に戻ってくるわけです。それから食事や風呂の後に、一日の活動及び明日の予定についての会議を開く。そうして全体の状況を把握した後に日報を書き始めるわけで毎日、寝るのは深夜2~3時という状況でした。それくらいしてキッチリ日報にまとめて報告しないと、大臣もきちんと国会で答弁できない、ということで眠い思いもしながら日報をまとめていたのです。

自衛隊が反省すべき点は

 今回、私自身の自衛官時代の反省も踏まえて指摘する必要があると思うのは、情報公開法や公文書管理法、あるいは国会の動きについて、現場の自衛官の意識が低いことです。自衛官は朝から晩まで教育・訓練に打ち込んでいますから、どうしても国会の動きなどには詳しくありません。私自身がかつて陸幕広報にいたときに問題になったのですが、多くの自衛官の間ではパソコン上のデータが行政文書に当たるのだという感覚がありませんでした。今回も同様に、外付けハードディスクがまさか行政文書に当たるとは思わなかった、という話が出ていますね。文書というからには紙だろう、と。昔からそういう傾向はありました。

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