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【正論6月号】イラク日報に「戦闘」何が悪い 参議院議員、元自衛隊・イラク復興業務支援隊長 佐藤正久 激白

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 あまり管理だ、情報公開だ、ということが強調されると、担当者にはどこまで開示していいのかの判断や黒塗り作業など、大変な負担がかかります。今、防衛省への日報の開示請求は年間約5千件あるそうですが、開示のための作業は本来業務ではなく追加業務ですから、国会答弁の作成が終わって未明になってから情報公開の対応をする、といったことにもなるわけです。

 そうした結果、情報公開の負担を軽減するために日報の内容が「薄くなってしまう」恐れがあります。本当に必要な情報を書き込まないようでは本末転倒であり、現場はこれまで通り萎縮せず、現地の状況を的確に伝えてもらいたいと思います。そうでないと防衛大臣や統幕長が的確な状況判断ができませんし、ひいては自分の部隊にも悪影響を及ぼしますから。

 今の情報公開法、公文書管理法の下では、海外派遣部隊の日報も上記の法の対象文書となる、という現実があります。その情報が公開される場合には「安全に関わる事項は非開示でもよい」とされていますので、隊員の安全に関わる部分はきちんと黒塗りしなければならないでしょう。

 これは個人的な意見ですが、現在活動中の日報と、活動が終わった後の日報とでは取り扱いに差があっていいのではないかと考えています。中谷真一衆院議員が国会で質問していたように、活動中の日報というものは一歩、開示の仕方を間違えれば自衛隊員の命が危険にさらされかねません。一方で活動が終了した日報については、国会や国民による検証も大事ですから、次以降の活動に影響が出ない範囲内でしっかり開示することが大事だと思います。

 この2つの日報の差別化は今後の課題で、場合によっては法改正が必要かも知れませんが、実現すれば派遣された自衛隊員も安心して日報を書くことができるはずです。他国の場合も、活動中の日報を公開するという事例はほとんどないはずですよ。

「戦闘」と「戦闘行為」

 このたび、イラク派遣の日報が公開されました。もちろん、次の派遣活動に影響があるなどの理由で黒塗りになった部分はありますが、それ以外の部分は国会で議論・検証し、教訓としてもらえればと思います。ただ、今回見つかったのは2年半の活動のうちの435日分ということで、歯抜け状態になっています。まだ10年と少し前のことですから、しっかりと全部が保管されていても良かったのではないかと、私は思います。

 公開された日報には「戦闘が拡大」といった文言もあり、新聞各紙でも大きく報じられましたね。しかし「戦闘」と、国会答弁などで出てくる「戦闘行為」とは違うのだ、ということをきちんと押さえておく必要があります。

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