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【正論6月号】イラク日報に「戦闘」何が悪い 参議院議員、元自衛隊・イラク復興業務支援隊長 佐藤正久 激白

公表された陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報=4月16日、複写
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 ※この記事は、月刊「正論6月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

ずさんな管理、残念

 陸上自衛隊のイラク派遣の際の日報が、陸自内部で発見されてから大臣に報告されるまで1年を要し、かつ、現時点(4月18日現在)で派遣期間の約4割強の435日分しか見つかっていないという今回の事案は、イラクの現場で日報を書いて送った元隊長としては非常に残念です。

 日報とは日々の自衛隊員の活動をまとめて送ることによって、上級部隊の指揮官や防衛大臣が状況判断を行うための1次資料です。もう少し長い目で見ると、次に現地へ派遣される部隊の教育・訓練のための資料にもなり、さらに長い目で見れば全く別の任務の際にも部隊の編成や携行装備品を検討するための資料にもなるものです。

 イラクであれば宿営地に迫撃砲弾が着弾したり、ロケット砲が宿営地のコンテナを貫通したりといった、安全確保の上で貴重な情報も入れています。文字通り汗を流し、体を張ってまとめたものもあります。イラク・サマワに居て、物資などもそう簡単に手に入りませんから、部隊が現在持っている装備品の状態や隊員の健康状態も書き込んで、場合によっては日本からの支援を求めたりするわけです。そのために毎日、未明までかけて日報を作成していました。

 少なくとも、教訓を集める陸自の研究本部では過去の日報も電子データで残っているかと思っていたのですが、現在分かっている限りでは“歯抜け状態”でしか残っていないわけで、管理がずさんだったことは残念としか言いようがありません。

 陸上幕僚監部や派遣部隊には、日報の内容を精査してまとめた抜粋的なものが残っていればいいのかも知れません。しかし研究本部にある「教訓センター」であれば、公文書管理法での「保存期間1年未満」という規定にとらわれず、もっと長期間の指定にして保存しておくべきではないかと思います。

 南スーダンPKOなどの日報は現在、現地部隊が作成して東京へ送ると「陸自指揮システム」の掲示板に掲載されます。それは隊内のかなりの人間が閲覧できます。日報は活用されることが最も重要であり、あわせて情報公開法や公文書管理法に基づくきちんとした管理も必要です。活用と管理、その両方が大事であって、今は管理のあり方に焦点があたっていますが、日報の管理が目的化してしまって活用が疎かになるようでは本末転倒です。

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