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【田村秀男のお金は知っている】怯える習政権…トランプ政権が2000億ドル貿易黒字削減を要求

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 実際に、米中は「貿易戦争」に突入するだろうか。上記の要求案のただし書きを読むと、同案はあくまでも事前に用意された草案であり、対中協議の進展具合で見直されるとの説明付きだ。大上段に振りかぶって相手を威圧し、大きな譲歩を引き出すのがトランプ流取引だとすれば、結果はめでたく握手、という可能性も否定できない。

 現に、トランプ氏は米国から部品供給禁止の制裁を受けている中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)が経営難に陥るのをみるや、「救済の手を差しのべてもよい」と中国の習近平国家主席に申し出る始末である。6月12日にシンガポールで開催される史上初の米朝首脳会談を控え、習氏の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対する影響力行使を見込んだうえでの妥協だ。

 それでも、拙論の見るところ、米中摩擦の鍵を握るのはやはり2000億ドル削減の可否である。グラフは中国の対外収支と米国の対中貿易赤字の対比である。中国の貿易黒字の大半を占めるのは対米黒字だ。貿易黒字から、国民の海外旅行、特許使用料、進出外国企業の収益など差し引いた経常収支で大きく減る。最近では年間2000億ドルを下回る。

 対米黒字を2000億ドルも減らせば、経常収支は赤字に転落する。すると中国は外貨準備を取り崩さざるをえなくなりかねない。外準こそは中華経済圏構想「一帯一路」など習政権の対外膨張策の軍資金である。習氏はおびえているはずだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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