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【昭和天皇の87年】運命の閣議 埋まらぬ賛否の溝 「再び御聖断を仰ぐしかない」

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 安倍源基内相「この回答文では国体の護持に保証はできない。一億玉砕、死中に活を求むる以外に方法はない。さらに交渉するか、戦うかは総理に一任する」

 下村宏国務相「先方と交渉できるとも思えるが、万一、交渉が決裂して戦争となり焦土となっては、すべてが終りである。大御心も拝した。受諾のほかはなかろう」

 左近司政三国務相「これ以上の交戦は民族の破滅。国体の護持はできない。忍ぶべきである」

 阿南惟幾(これちか)陸相「回答文には不安がある。疑問点があれば堂々と再交渉すべきだ。どうして意気地なく屈するのか、その理由が分からない」

 ひと通り意見が出そろったところで、鈴木が口を開いた。

 「確かに国体護持に危険を感ずる。さりとて戦争継続もできぬ。陛下の大御心に反してはならない。よって、自分としては再び御聖断を仰ぐ決心である」

 賛否の溝が埋まらない中、最終決定を昭和天皇の判断、すなわち聖断に託そうという鈴木の発言は、閣僚の耳に重く響いたようだ。

 抗戦派の阿南も、こう言うのが精一杯だった。

 「御聖断に反するわけではない。あらためて希望を述べるばかりである」

 これで終戦への道筋はついた。

 だが一方、陸軍内では、鈴木ら終戦派が最も恐れていたことが起きようとしていた。

 クーデター計画が阿南のもとに持ち込まれたのだ-。(社会部編集委員 川瀬弘至 毎週土曜、日曜に掲載)

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