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【田村秀男のお金は知っている】「為替条項」は日米通商を壊す 粘り強くトランプ政権を説得すべき

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 円ベースで動く日本経済のほうは、円ドル相場に翻弄される。1ドル=80円未満の超円高だった2012年前半、日本の対米黒字は年間4兆円台だったが、同年末のアベノミクス開始後の円安傾向とともに円ベースの黒字額は膨らみ、14年以降は6兆~7兆円台に達した。この黒字増加額は国内総生産(GDP)の0・4~0・6%に相当する。

 経済成長率がゼロ・コンマ%台の日本の命運はまさに円ドル相場で左右される。為替条項によって、日本が半ば強制的に円高ドル安政策をとるハメになれば、景気はマイナス成長に落ち込み、円相場に連動する株価も下落する。

 日本経済はデフレ圧力とともに沈む。だからといって、米国経済が対日赤字削減で浮揚するわけではない。日本の需要が減退すれば米国の対日輸出も減る。為替条項は日米双方にとって何の成果ももたらさないどころか、日米通商を破壊しかねない不毛の選択だ。

 為替条項は日銀の金融政策を制約するばかりでなく、急激な円高局面での円売りドル買いの為替市場介入も米側の厳しいチェックにさらされる。これら日銀や財務省にとっての不都合さをタテに為替条項に反対したところで、トランプ政権は引き下がるはずはない。むしろ、日本側が為替条項をいやがるのは、意図的な円安をもくろんでいるからだとする疑いを強めるだけだろう。

 安倍政権としては上記のように、為替条項は日米の経済にとって不毛な結果しか生まないと、粘り強くトランプ政権を説得すべきなのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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