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【歴史の交差点】シリア攻撃、2つの謎 フジテレビ特任顧問・山内昌之 

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 第2の謎や噂の信憑(しんぴょう)性は低いだろう。なぜなら、プーチン氏はロシア軍が攻撃され兵士に被害が出る場合、「瞬時の報復」に出る可能性に何度も触れているが、米軍はそうした行為に出ないと確信しているからだ。米露関係を維持するためにイランとの同盟を犠牲にする必要はない。他方、プーチン氏はアサド政権やイランのためにイスラエルと衝突する考えもない。イスラエルは、日本では注目されていないが、昨年9月の中部ハマの兵器開発本部の空爆以来、ほとんど毎月のようにシリアを空爆している。イラン革命防衛隊の将校が戦死しても、イスラエル軍が報復された事実はない。それは、イスラエル軍がシリアに展開するロシア軍のS300、S400、パーンツィリなど最新のミサイル防衛システムを攻撃しないからだ。ロシアは地上でアサド政権とイランの同盟国兵力に犠牲者を出しながら、「冷酷なまでに現実的な戦略」をとっているのだ(『アルジャジーラ』4月15日)。

 プーチン氏とトランプ氏のいずれも好んで衝突するとは思えないが、レトリック攻撃の応酬が緊張の極致に達する危険性も否定できない。米国は、シリア和平を進める上でロシアほどの当事者能力を持たないだけに、アサド政権が化学兵器を再び使うなら、トランプ氏の妥協の枠を狭めることになる。彼の次なる行動を見守るのは、北朝鮮の金正恩氏だけでなく、日露関係への衝撃を懸念する安倍晋三首相でもある。(やまうち まさゆき)

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