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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈23〉】人命第一主義に安住するな

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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈23〉】
人命第一主義に安住するな

大相撲春巡業宝塚場所。土俵の下で挨拶する中川智子・宝塚市長(中央)=4月6日、兵庫県宝塚市の宝塚市立スポーツセンター総合体育館(鳥越瑞絵撮影) 大相撲春巡業宝塚場所。土俵の下で挨拶する中川智子・宝塚市長(中央)=4月6日、兵庫県宝塚市の宝塚市立スポーツセンター総合体育館(鳥越瑞絵撮影)

ふんどしを締め直せ

 京都府舞鶴市で4日に行われた大相撲春巡業の土俵上で挨拶中の市長が倒れた際、女人禁制とされている土俵に駆け上がって救命処置を施した女性が下りるよう場内放送で促されたことが波紋を広げている。

 土俵が女人禁制となったのはそれほど古いことではなく、明治維新後のことだという。それでも150年もこのしきたりは守られてきた。けっこうな長さだ。禁制の理由は、いろいろと言われているが、もっとも説得力があるのは、女神である地母神に、供物(つまり相撲)をささげる場である土俵に女性が上がると女神の不興を買うから、というものだ。

 舞鶴の一件では、女神は眉をひそめることなく、逆に「よくやった」とほほえんだことだろう。要は場内放送を担当していた若い行司が動揺して判断を誤ったというだけの話だ。厳しく言うなら、しきたりの意味するところをきちんと教育されることなく教条的に教え込まれたがゆえの行為だろう。相撲協会がこれからもしきたりを守ってゆきたいのなら、理事長を筆頭に協会の全員がふんどしを締め直して勉強することが求められる。このさい、「相撲道」という言葉をしきりに口にしていた貴乃花親方を講師にして研修会を開いたらどうだろう。

 不快なのは、この出来事をきっかけに喜んだようにフェミニズム論、ジェンダー論をからめて日本バッシングをする海外メディアである。

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