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【プロジェクト最前線】自家培養軟骨で“不治のけが”を克服する富士フイルム「再生医療製品」

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【プロジェクト最前線】
自家培養軟骨で“不治のけが”を克服する富士フイルム「再生医療製品」

容器に入ったJ-TECの自家培養軟骨「ジャック」。白い円形で五百円硬貨程度の大きさだ(柳原一哉撮影) 容器に入ったJ-TECの自家培養軟骨「ジャック」。白い円形で五百円硬貨程度の大きさだ(柳原一哉撮影)

 スポーツなどで大きな衝撃を膝に受けて関節の軟骨部分に欠損などが生じると自然治癒が難しいことは、長らく整形外科の世界では常識とされてきた。軟骨組織には血管がなく、傷を治す働きをする細胞・栄養を含んだ血液を運べないからだ。“不治のけが”ゆえに引退を余儀なくされるスポーツ選手も少なくなかった。

 ところが、富士フイルムグループのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)が、再生医療という先駆的な手法を使った製品を開発。欠損した軟骨を再生するという従来の常識を覆す治療が成果を上げている。

 この再生医療製品は増殖能力を持つ自分自身の細胞を用いた自家培養軟骨「ジャック」。五百円硬貨くらいの大きさの白い円形の塊が、ビーカーの中でプルプルと揺れる様子は小さな和菓子の水まんじゅうに見える。これこそが軟骨の機能を正常にする切り札なのだ。

 ジャックは、患者の軟骨組織の正常部位から細胞の一部(0.4グラム程度)を採取し、J-TECの施設で培養、増殖して作られる。4週間ほどして膝の軟骨が失われた部分にジャックを移植すれば欠損部分が修復され、リハビリなどの後、半年~1年で通常通りの歩行が可能になる流れだ。

 同社の畠賢一郎社長は「膝の荷重部の軟骨が傷むと自然治癒しないのが常識です。それを自分の細胞を使えば拒絶反応もなく再生できる。これがジャックの利点です」と力説する。

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