【科学の先駆者たち】柳沢正史・筑波大教授 眠りのスイッチ遺伝子を発見
幼少期に芽生えた探究心
子供のころは、近所の小川で流れが渦を巻く様子を1時間でもじっと観察していたという。「一つ間違えれば危ない子」と冗談めかすが、自然への探究心がそのころから芽生えていたのだろう。
小学校に入ったころまで黙って落ち着くことができなかったが、年齢を重ねるにつれ、頭で考えて自分を抑えていくようになったと医師らしく自己分析する。
医師の父に勧められ、筑波大の医学部へ進学。臨床医になるか悩んだが、臨床実習などを通じて日本の医療の遅れを痛感し、研究者への道を選んだ。
「睡眠を研究するなんて思いもよらなかった」と振り返る柳沢さん。今では140人以上の研究者を擁する大所帯の研究機構を率い、世界の睡眠研究をリードしている。(科学部 原田成樹)
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やなぎさわ・まさし 1960年、東京都生まれ。筑波大大学院医学研究科博士課程修了。米テキサス大サウスウエスタン医学センター教授などを経て、2012年から筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の機構長兼教授。17年度、朝日賞。