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【クローズアップ科学】高層ビル襲う長周期地震動 AI、スパコン活用…震災教訓に対策強化

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主流は制震技術

 超高層ビルは急増している。不動産開発の森トラストが昨年発表した調査によると、東京23区では2021年までに、東京五輪の追い風や建て替え需要で延べ床面積5万平方メートル以上の大規模オフィスビルが38棟も完成する。大半が20階建て以上の超高層だ。

 長周期地震動は1964年の新潟地震や2003年の十勝沖地震で石油タンク火災などの被害が発生していたが、社会的関心は高くなかった。だが東日本大震災で超高層ビルの被害が注目を集め、対策が急務だと改めて認識された。

 国土交通省は南海トラフで巨大地震が起きた場合、大きな被害が予測される11都府県の対策を強化。高さ60メートル以上の新築超高層ビルに対し、秒速最大1・6メートルで揺れる地震動に500秒以上耐える対策を義務付けた。

 超高層ビルの地震対策は耐震、免震、制震の3種類がある。耐震はビルの構造を頑丈にして地面に固定し、揺れに耐える方式だ。揺れ幅が大きく、大地震に遭うと建物の補修が必要な場合が多い。

 免震はビルと地面の間に大きな層状のゴムを設置し、揺れを逃がす仕組み。ビル全体が地面と平行に動くため、揺れ幅は小さい。建物のゆがみも小さく、地震後の補修は不要だが、初期費用が高い。

 主流は制震だ。柱やはりの間に、変形や収縮によって揺れを吸収するダンパーという装置を設置する。ダンパーを交換すれば地震後も性能を維持でき、耐震ビルに追加して制震化することも容易だ。

 東京の新宿三井ビルやサンシャイン60などの超高層ビルも、大震災後に制震ダンパーなどを導入し、長周期地震動の対策を強化した。

 東京工業大の和田章名誉教授(耐震工学)によると、対策をしない場合と比べ、一般に免震は揺れ幅を4分の1、制震は3分の2に減らせるという。

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