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【矢板明夫の中国点描】異常干支・戊戌の年の改憲案 不気味さ増す軍の“恫喝”

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【矢板明夫の中国点描】
異常干支・戊戌の年の改憲案 不気味さ増す軍の“恫喝”

中国の習近平国家主席。改憲案が承認されれば、「終身制」への道が開かれる=1月9日(AP) 中国の習近平国家主席。改憲案が承認されれば、「終身制」への道が開かれる=1月9日(AP)

 光緒帝は幽閉、康有為は日本へ亡命、譚嗣同らは処刑された。改革派が清王朝を見限り、孫文らが革命運動に身を投じて、その後の辛亥革命(1911年)につながったといわれる。

 そして今年。旧正月休み明けの直後、中国共産党中央委員会がまとめた憲法改正案が発表された。改革派にとって穏やかな内容ではなかった。2期10年と定められている国家主席の任期制限が撤廃されるという。習近平国家主席の終身制につながる、時代に逆行した改正と言わざるをえない。

 北京在住の党関係者は、改憲案は習氏ら保守派が主導したと指摘した。その上で、習氏はここ数年、大物政敵を次々と失脚へ追い込み、その一族郎党を投獄する恐怖政治を行ってきたため、党内で多くの恨みを買っており、報復を恐れて権力の座から降りられなくなったと分析した。

 それにしても今回の改憲は性急だ。昨年末に改正した不当競争防止法のような一般法でさえ、草案から1次審議案、2次審議案などと1年以上かけて議論したのに、国の基本規範である憲法の改正を、2月末に草案を発表し3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で決着させようとしている。

 それに、年1回の開催が一般的な党の中央総会を1月中旬と2月末に連続して開いている。その間に、習氏のライバルである李克強首相の側近、楊晶・国務院秘書長の失脚も発表された。水面下で、賛成派と反対派の激しい攻防があるのではないかと想像する。

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