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【正論3月号】
文在寅の敵は金正恩よりも日本…戦争が起きない展開も日本には最悪だ 拓殖大学教授 呉善花
※この記事は、「正論3月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。
平昌五輪の開催が迫るなかで韓国と北朝鮮による南北対話が急速にクローズアップされています。一月九日には閣僚級会談が開かれ、北朝鮮が平昌五輪に代表団を派遣することで合意し、十七日の次官級の実務協議では、アイスホッケー女子について南北合同チームを結成することや、開会式で朝鮮半島を描いた統一旗を掲げ、合同入場行進することなどで合意しました。また、北朝鮮が応援団約二百三十人を派遣し、合同応援を行う方針も確認しました。あの「美女応援団」も訪れるのですから、五輪開催期間中は恐らく多くのテレビメディアが群がるでしょう。
しかし、朝鮮半島が深刻な状況であることに何ら変わりはありません。私たちはこのことを忘れるべきではありません。盛んに「平和ムード」が演出され、平昌五輪を通じて甘い幻想が広がっていくのでしょうが、私たちはしっかりと本質を見据えなければならないと思うのです。
金正恩の考えていることは何か
北朝鮮の金正恩はなぜ、突如として南北対話に乗り出したのでしょう。平昌五輪を直前に控え、急にソフト路線に転換したのはなぜか、をはじめに読み解く必要があります。平昌五輪が金正恩にとってそれまでの強硬路線を自然な形で変える、極めていいチャンスだったことは確かです。