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【びっくりサイエンス】卵の白身が高強度の新素材に 医療、食品…応用に期待

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【びっくりサイエンス】
卵の白身が高強度の新素材に 医療、食品…応用に期待

卵の白身からできた高強度の新素材(中央)を強度の測定装置に置いたところ(野島達也・中国東南大准教授提供) 卵の白身からできた高強度の新素材(中央)を強度の測定装置に置いたところ(野島達也・中国東南大准教授提供)

 早速、実験に取りかかった。白身に水を加えてかき混ぜ、独自の界面活性剤を加えると、予想通りに卵のタンパク質が凝縮した。これを温めると、白く不透明なゲル状の塊ができた。野島さんは「ゆで卵ができるのと同じことが起きただけ。つまらない」と感じたという。

 ところがその塊を手にしたところ、信じられないほどの硬さに驚いた。圧縮するときの強度を測ると、ゆで卵の150倍以上。全く予想外のことが起こった。詳しく分析した結果、タンパク質の分子同士が均一に結合していることが分かった。

 タンパク質はアミノ酸がつながってできた、高分子と呼ばれる物質の一種だ。普通のゆで卵ではひも状の分子同士が不均一に絡まり合っており、力を加えると結合が弱いところに力が集中して壊れてしまう。ところが、界面活性剤を加えることで結合が均一になり、力が特定の場所に集中しなくなって強度が上がるとみられる。

 野島さんはこの塊を周りの研究者や学生に触らせては「卵の白身でできているんだよ」と伝え、驚かれる反応を大いに楽しんだのだとか。「ただ、私は材料科学の専門家ではないので、論文にまとめるのに苦労した」と野島さん。今月、英科学誌に掲載された。

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