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【正論2月号】世界の記憶、韓国「慰安婦の日」…左翼の牙城「赤い国連」でいかに戦うか

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【正論2月号】
世界の記憶、韓国「慰安婦の日」…左翼の牙城「赤い国連」でいかに戦うか

パリのユネスコ本部(ロイター) パリのユネスコ本部(ロイター)

 杉田氏 いろいろな努力をしましたが、保守系団体の手探りは未だ続いています。私たちが人権理事会でスピーチしたときも最初は限られた時間内でスピーチするのが全てだと思っていました。でも回を重ねるうちに、どうも1500ワードのレポートが出せるらしいことが分かりました。じゃあ1分間や2分間スピーチするよりそのほうが重要な意味を持つぞとか、段々活動も効果的になってきたわけです。手探りで、こんなこともできる、あんなこともできると調べながらやっているわけです。

 これは私の実感ですが、女子差別撤廃委員会で、強制連行はなかったと発言したら、国連から即座に日本政府に「政府の考えを述べよ」と質問書が来た。これは意外でした。発言した時は「それは本当か」「初めて聞いた」「あなた方は政府の回し者か」などと言われましたが、自分たちが「一民間団体の立場で来ている」「証拠もある」といえばちゃんと聞いてくれるんです。そこで黙殺されたりはしない、という実感はあります。

 ただ、国連やユネスコは公正公平か、といえば、そこは全然違う。南京や慰安婦の問題に取り組むなら、現在進行中のチベット、ウイグルなどへの中国による人権侵害などをやらなければならないはずなのに、国連は真面目にやってはいません。

向こうのグループもはじめは試行錯誤だった

 西岡氏 クマラスワミ報告は96年でしょう。それまでの4年間、戸塚氏は3カ月に1回ぐらいのペースでジュネーブに行っている。つまりクマラスワミ報告も自動的にできたものじゃない。国連は協同組合的-政府があるわけではなくて-に主権国家が寄り集まって多数決で物事を決めるだけですから、利用しようと思えば利用できてしまう。

 戸塚氏は90年代はじめ女性差別撤廃委員会、現代奴隷制作業部会、女性の地位委員会、国際女性会議準備委員会と次々顔を出し、95年4月、ジュネーブ、8月ジュネーブ、9月北京の国際世界女性会議、96年2月人権委員会と実にアクティブに動き、これがクマラスワミ報告につながっていくわけです。もともとクマラスワミさんはユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナで行われた民族浄化などに代表される現代の、女性、戦場における性の問題という調査委員に任命された。戸塚氏はそこへセックススレイブは昔からあったと持ち込んだのです。

 クマラスワミ報告というのは付属報告に過ぎません。今現在起きていることをめぐる話が本題ですから、慰安婦問題は本報告には含めず、あくまでオプションの付属報告として出されたに過ぎない。ですが、国連の報告書に盛り込まれれば、最大限キャンペーンに利用でき、実際、利用されたわけです。

 杉田氏 そういう話は他にもあって、女子差別撤廃委員会で女子差別撤廃条約の実施状況について日本政府が出した報告書などもそうです。この条約の大原則は条約締結した1985年より前の出来事には遡及しません。ですから慰安婦問題など本来は議題になり得ないんです。  ところが日本政府は報告書で、遡及しない問題だから報告書で取り上げるのは適切ではないというのがわが国の基本的な考えだ、と述べたうえで、「貴委員会への参考としてわが国の取り組みを述べます」などと慰安婦問題について言及を始めているのです。

 何と言及しているか、といえば「日本政府は謝っています」ですよ。要するに自ら土俵に乗ってしまっているわけです。

「赤い国連」と難じても始まらない

 西岡氏 向こう側がどんなことをやってきたか、もう少し述べましょう。部落解放同盟が中心になって作った反差別国際運動(IMADR)と言う国連登録NGOがあります。ジュネーブに事務所を持って、常駐職員を置いている。これも冷戦の終わる直前から続けている彼らの活動です。

 先ほどの戸塚氏が92年にジュネーブを訪れたさい、使ったのはIED国際教育開発という日弁連のNGOの資格でした。またNGOの活動を進めるためには情報、案件が必要となる。その役割を果たしているのが先ほど名前が出た吉見氏たち日本の戦争責任研究のグループで、90年代から始めているんです。

 杉田氏 女子差別撤廃委員会に行くと、まさに部落、在日、琉球、アイヌなどに対する差別が日本では激しく、特に女性差別がひどいと語られている。

 西岡氏 それはまさに反差別国際運動が持ち込んでいるからです。普通、どの国も普通の国民は愛国者です。外国に出て自国の悪口など言いません。悪口を言うのは相当自国の制度がひどくて言えないから国際社会で訴えるわけで、ジュネーブの枠組みは本来そのためにある。そうした光景は確かに第三世界や共産党の一党独裁政権にみられるから、ジュネーブではNGOの言うことを聞く枠組みになっているのです。それが、彼らのやりたいように利用されてしまっているのです。

外野からのヤジで済ませていて良いのか

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