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【平成30年史 デフレの呪縛(2)】物流危機…社長も給料半分 バブル崩壊で一変、コスト増重く

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【平成30年史 デフレの呪縛(2)】
物流危機…社長も給料半分 バブル崩壊で一変、コスト増重く

 だが、青写真は崩れる。免許制から許可制への移行によりトラック保有台数10台以下の零細事業者が急増。物流ジャーナリストの森田富士夫は「大企業と直接契約できる大手と大手の下請けで仕事を取るしかない零細業者との二極化が進み、大手は荷主企業の値下げ分を下請けに転嫁するようになった」と解説する。

 通常ならば、ここで下請けが低運賃に耐えきれず、市場から退場することで需給調整が図られ運賃低下に歯止めがかかるが、「零細事業者は過積載や長時間労働などで運賃低下をカバーし、市場からの退場は新規参入の半分程度にとどまった」(都内運送事業者)。

 森田は「製造業ならば、作り方が悪ければ、『不良品』という結果が消費者の選別にさらされるが、物流業者は運び方が粗悪でも、壊れずに届きさえすれば問題がない。それで悪質業者が低運賃を支える構造ができあがったのではないか」と新陳代謝が進まなかった背景を語る。

 新規参入で促されると期待したサービスの向上や多様化についても、運賃の低さだけが重視される消耗戦の中で、新たなアイデアを実行に移すだけの余力がそがれていった。神奈川大学教授の斉藤実は「過当競争で地盤沈下した産業のイノベーションは難しかった」と分析する。

 「もうからない利幅の薄い業界にはたくさんの事業者が入るはずがないとみていたが違った」。物流の規制緩和政策を研究する流通経済大学学長の野尻俊明は政府の見通しの甘さを語る。

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