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「赤字2億円以下」が存続の条件 秋田内陸縦貫鉄道のおもてなし経営とは

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「赤字2億円以下」が存続の条件 秋田内陸縦貫鉄道のおもてなし経営とは

秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅では、台湾からの団体客が下車した=11月6日、北秋田市 秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅では、台湾からの団体客が下車した=11月6日、北秋田市

 沿線人口は減少の一途をたどり、経営環境は厳しい。支援自治体との合意である「赤字2億円以下」を辛うじて達成できる状況で、通勤・通学利用も少なく、生き残りには観光需要を掘り起こすしかない。11月、新たな愛称を「スマイルレール」に変えた。「乗客を笑顔にしたい」との願いが込められている。(藤沢志穂子、写真も)

     

 【吉田裕幸社長(55)に聞く】

 --愛称を「スマイルレール」に変えた理由は

 「従来の『あきた?美人ライン』では観光のブランドイメージが乏しかった。内陸線は安心安全な旅客輸送が基本だが、地域の未来を背負い、交流人口をどう拡大するかの役割も担っている。沿線人口の減少を手をこまねいて見ているわけにはいかない。車窓の美しさだけでは集客に限界がある。地域の特色を打ち出し、お客さまに笑顔になってもらいたいと考えた」

 --JTB東北から6月に着任した

 「もともと鉄道が好きで高校を出て旧国鉄に入社。ただ配属先が情報システム系で、観光業に関心があったので、国鉄民営化を契機にJTBに転じた。社長は楽ではないが、これまでの営業現場の経験を生かしたい。来年の開業30年に向けさまざまな案を検討中だ」

 --具体的には

 「11月にホームページをリニューアルして英語、中国語、韓国語、タイ語の四カ国語対応にした。2020年の東京五輪に向け、外国人の団体のお客さまも増やしたい。最近ではマレーシアから初めてお越しいただいた。また車利用が中心の沿線住民に、お子さんを含めもっと鉄道を利用してもらえるよう工夫したい。JR五能線の「リゾートしらかみ」をお手本に、観光名所や地場産品など、地域の魅力を一緒にPRして全国のファンも増やしたい」

 --JR東日本秋田支社との連携は

 「『秋田内陸線の旅』というパンフレットを共同制作しているが、反省点もある。路線を紹介する地図に空港が掲載されていない。両社が鉄道利用を促す立場でもあり、たまたま入っていなかったのだが、お客さまには不親切だ。次回の作成時には見直したい」

 秋田内陸縦貫鉄道 秋田県北秋田市阿仁銀山字下新町41の1。昭和59年設立。鉄道業、旅行業、物販ほか。資本金3億円、従業員66人。平成29年3月期は1億9300万円の経常赤字。(電)0186・82・3231。www.akita-nairiku.com

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