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【岡部伸の新欧州分析】EU離脱交渉が現代版「英仏戦争」の様相に 英国の前に立ちはだかる仏出身交渉官

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【岡部伸の新欧州分析】
EU離脱交渉が現代版「英仏戦争」の様相に 英国の前に立ちはだかる仏出身交渉官

第6回交渉が行われたブリュッセルで11月10日、記者会見するEUのバルニエ首席交渉官(右)と英国のデービスEU離脱担当相(AP) 第6回交渉が行われたブリュッセルで11月10日、記者会見するEUのバルニエ首席交渉官(右)と英国のデービスEU離脱担当相(AP)

 しかし、9月の第3回交渉後の発言が英国側の感情を逆撫し、物議を醸した。「離脱に伴う重大結果を英国民は十分説明を受けていない。われわれ(EU)が、単一市場脱退が何を意味するか教えてやる」と見下したためだ。

EU内の不協和音、英の不信感

 10月の第5回交渉では意図的に交渉決裂させようとしているともとれる発言があった。

 「交渉は行き詰まった」と記者会見で3度も繰り返し、進展なしとの悲観的な見方を示し、「合意なき離脱」のリスクが高まり、英ポンドは続落した。

 しかし18日後、ブリュッセルで開催されたEU首脳会議後、EUのトゥスク大統領は、バルニエ氏の発言を否定した。

 「『行き詰まり』報道は誇張。貿易協議開始に十分ではないが、進展がないわけではない。EUと英国は親善ムードだ」

 ドイツのメルケル首相も「交渉は一歩ずつ進んでいる。成功しないことを示す兆候は一切ない」と前向き評価した。

 「離脱金を支払うと言うまでテコでも動かない。交渉を長引かせた末、『進展はなかった』と発言するのはふざけている」。デービス氏がこう語るように、英国ではバルニエ氏への不信感が高まっている。保守党のハナン欧州議会議員は「(バルニエ氏は)古臭い欧州統合主義者。EUを一つの国にしたがっている」と批判する。

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