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【佐藤優の世界裏舞台】対テロの視点でも自殺志願者ケアが必要だ

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【佐藤優の世界裏舞台】
対テロの視点でも自殺志願者ケアが必要だ

作家、元外務省主任分析官、佐藤優氏 作家、元外務省主任分析官、佐藤優氏

 神奈川県座間市で男女9人の切断遺体が見つかった事件についても、インテリジェンス(諜報活動)の視座からの分析が重要だ。

 〈この事件では、白石隆浩容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=が、SNSを使って自殺願望を打ち明ける10~20代の若者を、言葉巧みに呼び出していたことが判明している〉

 〈警察庁によると、平成28年の自殺者数は2万1897人で20代以下は2755人。15~34歳の自殺率は事故などによる死亡率の2・5倍で、先進国の中で自殺が事故死を上回るのは日本だけだという〉

 〈今年7月に5年ぶりに改定された自殺総合対策大綱では若年層に対し学校などでの自殺対策推進が盛り込まれた。特に厚生労働省はネットやSNSを通じた相談体制構築や支援策の周知に取り組む〉(11日付本紙)ということであるが、これにはテロ対策が欠けている。

 今月初め、イスラエルからインテリジェンス機関の元幹部が訪日した。筆者は外務省国際情報局に勤務していた時期にこの人と親しくなり、20年も家族ぐるみで付き合っている。

 日本におけるテロ対策について意見交換したときに、「自殺志願者対策を強化することが効果的だ」と言われた。シリアとイラクで駆逐されつつあるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)は、欧米や中央アジアに拡散し、策動を強めている。その際に自殺志願者を重点的にリクルート(徴募)している。

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