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【クローズアップ科学】ヒトiPS細胞10年 山中伸弥・京都大教授に聞く 患者の思い胸に「これからが正念場」 

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【クローズアップ科学】
ヒトiPS細胞10年 山中伸弥・京都大教授に聞く 患者の思い胸に「これからが正念場」 

ヒトiPS細胞の発表から10年の思いを語る山中伸弥・京都大教授=10月30日、京都市左京区の同大iPS細胞研究所(寺口純平撮影) ヒトiPS細胞の発表から10年の思いを語る山中伸弥・京都大教授=10月30日、京都市左京区の同大iPS細胞研究所(寺口純平撮影)

 --どの程度の人をカバーできるのか

 「今は3系統の免疫型のiPS細胞を提供しており、日本人の30%で拒絶反応が起きない。50%への到達も近いだろう。ただ、さらに向上させるため系統を増やすとコストが上がり、医療に使われなくなる懸念がある。細胞を量産する企業の生産設備が増え、安全性を確認する費用や時間もかかるからだ。それならカバー率の高い1系統だけ使用し、拒絶反応が出る患者には免疫抑制剤を使う方が合理的という考え方も出てくる」

 --今後の計画は

 「莫大(ばくだい)な国費を投じて細胞の系統を増やし、使われなかったら無駄遣いになってしまう。これまで22年度にカバー率80%の達成を目指してきたが、どこまでやるべきか検討している。私たちだけではどうにもならない問題だ。安全性を確保しながらコストを上げずに済む制度の導入を国に考えていただきたい」

「早く治してあげなくては」

 --臨床研究や治験で患者の役に立ち始めた

 「まだ入り口の段階だ。今後10年、20年は患者に貢献するより、リスクを背負って貢献してもらうことになる。本当の意味での貢献を早く実現しなくてはならない。全国の難病患者から『iPS細胞で病気を治して』という手紙を多数受け取っている。その気持ちを受け止めて一生懸命、頑張っている」

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