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終戦72年の真珠湾「謝罪の時は終わった」 憎しみから日米希望の同盟に向けた象徴に
日本軍が75年以上前に奇襲攻撃を仕掛けたハワイの真珠湾はかつて、「リメンバー・パールハーバー」が叫ばれ、反日感情が渦巻いていた。だが、終戦から72年が経ち、「ここは日米の希望と未来を示す場所だ」と言われるまでに変貌していた。米国の日本への敵愾(てきがい)心は、どのように変わったのか-。奇襲攻撃による犠牲者たちが眠るアリゾナ記念館をこの夏、訪ねた。
(JAPAN Forward編集長 内藤泰朗)
日本人来訪者が倍増
午前7時だというのに記念館の正門には、開館を待つ観光客たちの長蛇の列ができていた。館内に入り、ダニエル・マルティネス館長(70)に会うと、夏の観光シーズンはいつものことだと話した。
ただ昨年12月、安倍晋三首相が日本の現職首相として戦後初めて真珠湾を訪問して以来、日本人の来訪者数は倍増したという。
館長によると、安倍首相の真珠湾訪問はオバマ氏がその7カ月前に世界初の被爆地、広島を米国大統領として初めて訪問したことで実現した。
首相の記念館訪問の案内役を務めた館長には、当初15分間の時間が与えられていたが、「首相は予定を変えさせ、私の話と歴史に集中し、すべてを知りたがった。まさか私が生きているうちにこんな時がくるとは思わなかった」。