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【クローズアップ科学】「電磁パルス攻撃」の脅威とは? 高高度の核爆発で日本全土が機能不全に 防護対策進まず…

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【クローズアップ科学】
「電磁パルス攻撃」の脅威とは? 高高度の核爆発で日本全土が機能不全に 防護対策進まず…

電磁パルス攻撃 電磁パルス攻撃

空から襲う“津波”

 現代社会は電気なしでは成り立たない。電磁パルス攻撃によって大規模な停電が発生し、公共インフラを支える電子機器が損壊すれば、都市機能はまひする。

 電話やインターネットなどの通信やガス、水道の供給が停止。飛行中の航空機が操縦不能になったり、電力を絶たれた原子力発電所が制御不能に陥ったりする恐れも指摘されている。

 米国の専門家チームが今世紀に入ってまとめたシナリオでは、10キロトンの核爆弾がニューヨーク付近の上空135キロで爆発した場合、被害は首都ワシントンを含む米国東部の全域に及ぶ。

 損壊した機器を修理する人員や物資が大幅に不足し復旧には数年を要し、経済被害は最悪で数百兆円に達する。電磁パルスは健康に直接影響しないとされるが、食糧不足や病気などで死傷者は数百万人に上ると推定している。

 元陸上自衛隊化学学校長の鬼塚隆志氏は「電磁パルス攻撃は宇宙から襲う津波のようなものだ。被害を完全に防ぐことは難しくても、備えを固めるなどして減災に取り組む必要がある」と強調する。

「日本は無防備」

 電磁パルス攻撃は地上への核攻撃と違い、ミサイルの弾頭部分を大気圏再突入時の高熱から守る技術は必要ない。小型の核弾頭を搭載したミサイルを発射し、目標上空で起爆するだけだ。

 米国防総省の内部では、北朝鮮が既に核弾頭の小型化に成功したとの見方もある。成功が事実なら、弾道ミサイルや人工衛星を搭載したロケットが上空を通過するとみせかけ、日本の真上の宇宙空間で核爆発を起こすことも可能だ。日本の領土や領海に着弾する恐れがない場合、迎撃ミサイル発射のタイミングを逃す可能性は十分にある。

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