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【日曜経済講座】米政権の対中通商圧力 独善が過ぎれば解決遠のく 論説副委員長・長谷川秀行 

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【日曜経済講座】
米政権の対中通商圧力 独善が過ぎれば解決遠のく 論説副委員長・長谷川秀行 

中国による知的財産権侵害に関して調査するように指示する大統領令に署名したトランプ米大統領=14日、ワシントンのホワイトハウス(UPI=共同) 中国による知的財産権侵害に関して調査するように指示する大統領令に署名したトランプ米大統領=14日、ワシントンのホワイトハウス(UPI=共同)

 鉄鋼輸入と安保を結びつけることに無理はないか。この理屈が通るなら、各国は同じ理由でさまざまな米国産品を締め出す報復措置を取り得る。中国製鉄鋼が第三国経由で米国に入っているとの論理にも十分な説得力はない。何よりも、米自動車業界などが輸入制限に反対している現実がある。

 最近は232条ではなく301条で鉄鋼を扱うべきだという議論まであるそうだ。それほど米国の通商政策は不確実性が高いのである。

 では、日本や国際社会は米国にどう向き合うべきか。中国の不当な法制度や商慣行が明確になっても、米国独自に制裁を発動するのは控えるよう促すのが第一だ。対抗措置が必要なら、WTOの枠組みを使って一緒にやるよう持ちかけてもいいだろう。

 同時に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などで確立したルールを世界に広げる。TPPは技術移転の強要を禁じ、紛争が生じた場合の解決手段も明文化した。不公正貿易を封じ込めるには国際協調こそが肝要なのだ。

 それらがなければ、米国の問題意識が正しくても国際社会の理解は得られまい。その結果、中国が対抗措置を講じる報復合戦となれば、解決はかえって遠のくだろう。

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