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【矢板明夫の中国点描】対印紛争で習近平氏が狙うのは… 国内矛盾を転嫁?毛沢東の手法を踏襲

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【矢板明夫の中国点描】
対印紛争で習近平氏が狙うのは… 国内矛盾を転嫁?毛沢東の手法を踏襲

 中国とインドが国交を樹立したのは、1950年4月だった。建国まもない中国の共産党政権は、ゲリラ部隊出身の朱開印氏を在ニューデリー大使館の筆頭武官として派遣したが、その名前が物議をかもした。

 インドのメディアと情報機関は「朱は赤、開は開拓する、印は印度」と解釈し、朱氏を「インドを赤化させるための先兵」と深読みしたようだ。赴任した直後、朱氏はインド側から「名前は本名か」と繰り返して聞かれ、釈明に追われたと後に回顧している。隣接する一党独裁の大国に対するインドの根強い不信感をうかがわせるエピソードである。

 中国とインドが国境を接する係争地、ドクラム(中国名・洞朗)地区で6月中旬から約2カ月間続く中国軍とインド軍の対峙も、インドのこうした対中不信の表れといえる。きっかけは中国がこの地区で始めた道路建設だが、同地区には近隣のブータンも主権を主張している。

 ブータンを自国の影響下に置くインドは、中国が道路建設を口実に係争地を占拠し、インドへの浸透を図ろうとしていると警戒。数百人の兵士を同地区に派遣し、中国の作業を妨害した。それ以降、両軍のにらみ合いが続いている。

 双方とも相手の撤退を求め、外交交渉で解決を図ろうとするインドに対し、中国は軍事行動も辞さない強気な姿勢を示している。共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は「モディ政権が警告を無視し続けるなら、中国が報復措置に出ることは避けられない」とインドを恫喝している。中国共産党関係者の間で、習近平政権が62年の中印国境紛争の再現を狙っているとの見方を示す人もいる。

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