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【月刊正論8月号】鼻血の「福島の真実」は問題作 美味しんぼ原作者の雁屋哲さん グルメ漫画で庶民を断罪して悦に入る? 中宮崇

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【月刊正論8月号】
鼻血の「福島の真実」は問題作 美味しんぼ原作者の雁屋哲さん グルメ漫画で庶民を断罪して悦に入る? 中宮崇

「美味しんぼ」に描かれた原因不明の鼻血のシーン=小学館の漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」2014年の5月12、19日合併号 「美味しんぼ」に描かれた原因不明の鼻血のシーン=小学館の漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」2014年の5月12、19日合併号

 雁屋氏の“暴走”を示す別の例は、米アップルコンピュータのパソコン「マッキントッシュ」へのこだわりである。雁屋氏は熱狂的なマッキントッシュユーザーとしても有名で、先述したイベントに出席した際も私物のマッキントッシュを持ち込み、福沢諭吉批判の道具として大いに活用していた。  

 そんな雁屋氏は、『美味しんぼ』第59巻収録の「マルチメディアと食文化」の回で、マッキントッシュへの狂信的な愛情と、米マイクロソフト社の「ウィンドウズマシン」に対する驚くべき憎悪を見せつけるのである。

 「月賦」でマッキントッシュを買った山岡が、社内のコンピュータ事業部にあるパソコンを見て「ふん。ウィンドウズマシンか…」と軽蔑の表情を浮かべる。そればかりか、担当者の藤村にこう因縁をつける。 

 「その画面のダサくてみっともないこと、まともな美的感覚があったら使えたもんじゃない!」

 「そんなもの使う奴はマゾヒストだね、だからあれはMS-DOSじゃなくて、SM-DOSってんだ!」  

 念のため繰り返すが、これは「グルメ漫画」である。食べ物と少しも関係のないこのような醜悪なヘイトを撒き散らすことが、雁屋氏にとってどのような利益になるというのだろうか。ウィンドウズユーザーを「マゾヒスト」などと軽蔑するのは内心の自由なので勝手にすればよいが、そうしたヘイトを『ビッグコミックスピリッツ』の看板漫画で展開する必要性が一体どこにあるというのだろうか。  

 不思議なことに、雁屋氏に限らずサヨク諸氏にはマッキントッシュのユーザーが多いらしく、しかも、ウィンドウズユーザーに対する差別意識や優越感を持つ者が極めて多い。3万円も出せばそれなりのものが購入できるウィンドウズマシンに対し、マッキントッシュの値段はなんと十数万。ましてや、このエピソードが描かれた1996年当時の価格差はさらに大きく、マッキントッシュは「金持ちやプロの道楽」であった。  

 逆に言えばウィンドウズマシンは「貧者の味方」なのだが、雁屋氏はそんな庶民でも使えるリーズナブルなウィンドウズマシンを「まともな美的感覚があったら使えたもんじゃない!」と一刀両断にするのだ。  

上から目線で庶民を断罪

 エリート意識から庶民を断罪して悦に入るこのような傲慢さは、『美味しんぼ』の全エピソードにわたって広く見られる。  

 農薬まみれの安米を食べる庶民、混じり物だらけの安酒を楽しむ庶民を「日本の酒飲みって最低ね」(第4巻「酒の効用」)、「つくづく日本の酒飲みがなさけなくなったね……」(第18巻「ドライビールの秘密〈前編〉」)、「日本の酒飲みも地に落ちたものさ」(第18巻「ドライビールの秘密〈後編〉」)などと馬鹿にしているのだ。  

 愚かな消費者のせいで日本の食文化が破壊され、自分達のような高級・本物志向の人間たちまでが迷惑を被っている、というような姿勢に違和感を覚えた読者は少なくあるまい。

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