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【矢板明夫の中国点描】不当拘束日本人の釈放を 習近平政権「スパイ事件」でっち上げで日本たたき

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【矢板明夫の中国点描】
不当拘束日本人の釈放を 習近平政権「スパイ事件」でっち上げで日本たたき

 中国当局は彼らを長期間拘束し“スパイ事件”にしてしまう背景には、国内を引き締める目的と同時に、反日色の濃い習近平政権が新たな日本たたきの材料にしようとしている可能性がある。中華民族の偉大なる復興などナショナリズムをあおるスローガンを掲げる習政権は、外国の価値観などが中国国内に入ることを阻止することに力を入れている。中国人と外国人が接触することを嫌い、外国の民間人に“スパイ”のレッテルを貼って摘発することがここ数年、急増している。

 2007年春から約10年間、記者として北京に駐在した筆者のまわりにも“スパイ”にされた外国人が複数いる。中国人からもらった重要でない会議の資料をいきなり「国家機密」だといわれ、海辺で撮った写真にたまたま軍艦が写っていたことなどを理由に起訴されたりした人もいる。

 筆者は北京駐在当時、取材で中国国内を移動することが多かったが、スーツケースを持たず、機内に持ち込める小さな手荷物で飛行機に乗ることに徹した。荷物を預ければ自分の知らないうちに麻薬や政府の機密文書などを入れられ、罪をでっち上げられることを警戒したためだ。

 中国に拘束される自国民の救出を最優先外交課題とする欧米諸国と違って、日本政府は冷たく、冤罪(えんざい)で拘束されても何もしてくれないことは北京に駐在する日本人の間でほぼ常識になっていた。

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