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【矢板明夫の中国点描】不当拘束日本人の釈放を 習近平政権「スパイ事件」でっち上げで日本たたき

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【矢板明夫の中国点描】
不当拘束日本人の釈放を 習近平政権「スパイ事件」でっち上げで日本たたき

 中国の遼寧省大連付近で5月下旬、60代の日本人男性がスパイ行為に関与した疑いで中国の治安当局に拘束されたことが明らかになった。2015年以降、中国で「国家安全危害罪」などで拘束された日本人は計12人になった。異常な状態である。

 冷戦時代、米国とソ連の間で拘束した相手側の諜報要員を同時に釈放する「スパイ交換」が行われていた。中国で拘束された12人の日本人がもし本当に国のために諜報活動をしていたならば、日本政府はすぐに国内で活動する中国人工作員12人を拘束し、交換交渉を始めるべきだが、いまのところその気配は全くない。

 菅義偉官房長官は記者会見などで「わが国政府はいかなる国に対しても、スパイ活動には従事していない」と繰り返し強調している。おそらく本当であろう。今の日本は、海外に諜報要員を送る法的根拠もなければ予算もない。中国で拘束された12人の経歴をみても、情報分野とほとんど縁のない民間人ばかりだ。とくに3月に拘束された千葉県の地質調査会社の男性社員4人は、中国語も分からず、集団で大きな機材を抱えて郊外をうろうろしていたところを拘束されたという。古今東西、このようにわかりやすい形で外国の秘密を探る“スパイ”は聞いたことがない。

 中国当局による不当拘束と考えた方が自然だ。彼らが誤って軍事管理区域に入ったかもしれないが、数時間調べれば無実であることは分かるはずだ。

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