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【アメリカを読む】くすぶる対中貿易戦争の火種 トランプ氏鉄鋼輸入の調査指示 強硬派と国際派の双方から「いいとこ取り」で翻弄

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【アメリカを読む】
くすぶる対中貿易戦争の火種 トランプ氏鉄鋼輸入の調査指示 強硬派と国際派の双方から「いいとこ取り」で翻弄

 トランプ氏の指示は、トランプ氏が14日の外国為替報告書で中国の為替操作国指定を正式に見送った矢先の出来事だった。トランプ氏はかねてから、中国が人民元を安値に誘導して輸出を後押ししていると批判してきたが、実際には中国が足下では人民元の買い支えに追われているという現実を踏まえた判断だ。トランプ氏は習近平国家主席(63)との首脳会談では北朝鮮の核問題での協力関係を打ち出しており、中国への対決姿勢を軟化させたとの見方もあった。

 しかし今回の指示は中国経済に直接的な打撃を与える可能性がある。中国が戦略的なダンピングで米国の製造業に長期的なダメージを与えようとしているとの見方は、ホワイトハウス内の対中最強硬派であるピーター・ナバロ国家通商会議(NTC)委員長(67)の持論。ナバロ氏の影響力は、国際協調派のゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長(56)に押されているとの見方もあるが、トランプ氏は局面に応じて両者の意見を取り入れる腹づもりのようだ。

 ただしトランプ氏がどこまで中国の鉄鋼製品に対して厳しい態度をとり続けられるかは不透明な面もある。トランプ氏は指示に関して鉄鋼業界の支持は取り付けているようだが、鉄鋼製品を輸入している自動車メーカーなどから反発が出るおそれもあるからだ。またトランプ氏が実際に対抗措置をとれば、中国が反発を強めることは確実で、その場合は為替操作国指名見送りで回避したはずの中国との貿易戦争シナリオが再燃する形になる。

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