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【クローズアップ科学】日本は失速、「地位危うい」と英誌警告 減少する科学研究論文

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【クローズアップ科学】
日本は失速、「地位危うい」と英誌警告 減少する科学研究論文

日の丸サイエンスに暗雲 日の丸サイエンスに暗雲

雇用環境の改革を

 限られた予算の中、政府は重要な研究分野に資金を重点的に配分する政策を進めている。ただ、研究の初期に将来の成果を予測するのは難しい。調氏は「がん研究など社会的に重要な分野を除き、予算の選択と集中は研究がある程度、進展した段階で行うべきだ」と提言する。

 若手が任期を限定した職にしか就けず、研究に打ち込みにくいことも大きな課題だ。15年にノーベル物理学賞を受けた梶田隆章氏も「長い目で見ると、日本の科学分野の競争力を大きくそいでいる」と強調した。

 政策研究大学院大の角南(すなみ)篤教授(科学技術政策)が重視するのは人材の流動化だ。「若者の雇用不安をなくすのは重要だが、単にポストを増やすだけではよい結果にならない。現在は若者だけが椅子取りゲームをしているが、シニアの研究者も含め国内外の大学や研究機関を渡り歩かなければ日本が地盤沈下する」と危機感を募らせる。

 クラレの調査では、昨年春に小学校を卒業した男の子の憧れの職業は、スポーツ選手に続き研究者が2位だった。その半面、大学院の博士課程に進学する学生は減少が続いている。

 日本の科学が世界に大きく貢献していくためには、研究への夢を膨らませて育った若者の志を支える改革が必要だ。

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