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【「働き方改革」考】「モーレツ社員」は政府に否定されなければならない存在なのか 家電革命起こした“島耕作”が物申す

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【「働き方改革」考】
「モーレツ社員」は政府に否定されなければならない存在なのか 家電革命起こした“島耕作”が物申す

家電販売に革命を起こした元三洋電機社員、熱田親憙さん=兵庫県宝塚市 家電販売に革命を起こした元三洋電機社員、熱田親憙さん=兵庫県宝塚市

 毎週、毎週の会議。夜の8時や9時から会議が始まることはざらだった。会議が終わってから同僚で飲みに行く。飲み会は会議の延長だった。

 若者の声を聞くため、毎週金曜日、大阪から東京・六本木の盛り場に通った。40代半ば、若者ばかりのライブコンサートにも行った。「耳をそばだてながら、彼らがどういう生活をしているかリサーチしていた」という。

 特に三洋は後発メーカーで、メーカー順位は4番目。「人が一やるところを二やれ」と言われていた。家庭を顧みず、「奥さんはあきらめていた」が、当時の企業戦士が猛烈に働くのは当たり前で、その分もうけた。給与が毎年2割ぐらいずつ増えたという。

「経営者は現場へ行け」

 翻って今の時代、働いても働いても給料が大幅に上がったり、暮らしがよくなったりする実感はない。いつの間にか、三洋電機はパナソニックに買収され、栄華を誇った東芝さえも、1兆円近くの赤字を抱え、会社の存続すら危うくなった。

 「大企業病にかかって、現場の情報を肌で感じていないのでは。だから判断が狂う。東芝の場合でも、悪いのは社員ではなく、一部の経営者だけ。三洋電機もそうだった。判断する人間がさぼって、あぐらをかいていたのでは。現場には、言葉で表せない見えない情報がある。六感を総動員して感じなくてはいけない」

 熱田さんは今の電機業界をそう分析する。分業化や事業部制が進化して、ラインの長が所管部署の責任を果たすことにきゅうきゅうとして、会社全体に対する責任感が希薄になっているとも指摘した。

 政府の働き方改革についてはこう苦言を呈した。

 「残業規制は二の次。仕事をやらされるのではなく、自ら仕事をつくってモチベーションが上がれば、それで忙しくてもストレスにならない。モーレツ社員を否定しないでほしい。上司は基本、部下や社員を信頼することだ」

 モーレツ社員 美女のスカートが風でめくれてパンチラする石油会社のCMから流行語となった「モーレツ」。1970年代、自分の身も家族も顧みない会社員は「モーレツ社員」と言われた。朝礼で社歌を歌い、終電まで仕事しただけでなく、会社で寝泊まりする社員もいた。今では、会社に家畜のようにこき使われるという意味で「社畜」とも揶揄(やゆ)される。

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