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【拉致40年 家族の慟哭(2)】「実名じゃないと伝わらない」 すがる思い 家族会結成会見

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【拉致40年 家族の慟哭(2)】
「実名じゃないと伝わらない」 すがる思い 家族会結成会見

「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の結成記者会見で被害者の顔写真を掲げる家族ら=平成9年3月26日、国会内 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の結成記者会見で被害者の顔写真を掲げる家族ら=平成9年3月26日、国会内

 「無関心と不作為」を痛感していた明弘。家族会も結成後、拉致を置き去りにして日朝国交へとひた走る政治に直面し、署名活動や座り込みによる抗議などに奔走することになる。

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 「拉致の文言は、北朝鮮を刺激しないか」「実名で名乗り出れば被害者に危害が及ぶ」。初会合では懸念が持ち上がり、激論の一幕もあった。だが会合直前の2月、既にめぐみの事件が実名報道され、波紋が広がっていた。「実名じゃないと伝わらない」「最後のチャンス。これを逃したらもう終わりだ」。家族たちは勇気を振り絞った。

 市川修一の兄、健一は「結成のときは得も言われぬ不思議な希望があった」と話す。「でも、署名や街角の呼びかけで何か変わるか不安だった。後から国民世論の温かく、偉大な力を知ることになるのだけれど」

 家族会結成には3人の人物が深く関わっている。共産党議員秘書の兵本達吉(79)、産経新聞社会部長の阿部雅美(68)、朝日放送報道プロデューサーの石高健次(66)。当時の肩書はバラバラだが、共通点がある。非道な拉致への深い怒り。それぞれ小さな事実を積み重ね、拉致の真相を突き止め、家族の慟哭(どうこく)も知った。

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