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【クローズアップ科学】エイズ治療薬発売から30年 「死の病」克服、多剤療法が奏功

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【クローズアップ科学】
エイズ治療薬発売から30年 「死の病」克服、多剤療法が奏功

エイズとの闘い エイズとの闘い

 世界の新規感染者は97年の350万人をピークに減少に転じ、死者もピーク時の200万人の約半分に減った。ただ、日本の新規感染者は近年も1500人前後で横ばいだ。検査に消極的な人が多く、治療が進まない特殊な事情が背景にある。

酵素の働き阻害

 死亡率が劇的に下がったのは、タイプが違う複数の薬を同時に服用する多剤併用療法が96年に始まった成果だ。相乗効果で薬効が高まり、ウイルスが突然変異して薬が効かなくなる耐性に対しても、どれかが効くと期待できる。

 また、一つの薬だけを使うと特定の副作用が強く出るが、多剤併用は個々の薬の副作用が軽減するため治療効率が大幅に向上した。

 人体に侵入したエイズウイルスは、免疫を担うリンパ球などの細胞に付着。自分の遺伝子であるRNAを細胞内に送り込み、これを鋳型に逆転写酵素という物質を使ってDNAを作る。

 これをインテグラーゼという酵素で免疫細胞のDNAに組み込み、自分の遺伝子とタンパク質を大量に合成させる。さらにプロテアーゼという酵素でタンパク質を使いやすく切断し、これを材料にウイルスを形成して増殖する仕組みだ。

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