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【クローズアップ科学】エイズ治療薬発売から30年 「死の病」克服、多剤療法が奏功

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【クローズアップ科学】
エイズ治療薬発売から30年 「死の病」克服、多剤療法が奏功

エイズとの闘い エイズとの闘い

 かつて「死の病」だったエイズは日本人が開発した世界初の薬が1987年に発売され、治療の道が開かれた。多様な薬の併用で現在は命を落とすことはほとんどなくなり、感染者や死者は激減したが、完治というゴールへの道はまだ遠い。(伊藤壽一郎)

日本人が開発

 ウイルスで感染するエイズは、体内に侵入した病原体を攻撃する免疫機構が破壊され、肺炎やがんを発症する。81年に米国で初めて患者が報告された。4年後には日本でも見つかり、有効な治療法がないまま世界中に感染が拡大し、死者は増え続けた。

 だが87年4月、米国立衛生研究所(NIH)の上級研究員だった満屋(みつや)裕明氏が開発した初の治療薬「AZT(アジドチミジン)」が登場し、状況は一変した。

 エイズウイルスが酵素を使って増殖する仕組みを阻害する働きがあり、この原理に基づきこれまでに数十種類の治療薬が生まれた。満屋氏は「多様な新薬開発のきっかけを作れてよかった」と振り返る。

 適切な治療を受ければ現在の死亡率はほぼゼロで、感染者からパートナーへの2次感染も93%は防げる。国立国際医療研究センターの岡慎一エイズ治療・研究開発センター長は「きちんと診断し治療すれば、もはやエイズはたいした病気ではない」と話す。

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