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【平成30年史 大震災の時代(2)】阪神大震災の一報に気づいたのは警備員だった 米軍の救援案に「核兵器は?」と難色が示された

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【平成30年史 大震災の時代(2)】
阪神大震災の一報に気づいたのは警備員だった 米軍の救援案に「核兵器は?」と難色が示された

東日本大震災から6日後、緊急災害対策本部の会議で憔悴した表情をみせる菅直人首相(当時)=平成23年3月17日、首相官邸(酒巻俊介撮影) 東日本大震災から6日後、緊急災害対策本部の会議で憔悴した表情をみせる菅直人首相(当時)=平成23年3月17日、首相官邸(酒巻俊介撮影)

 「自衛隊が出ていないようだが、どうなっているんだ」と強い口調の石原氏に、村田氏は「知事の要請はありませんが、待っていられないので、姫路の部隊は出動させました。自衛隊としては最大限やっています」と答えるのが精いっぱいだった。

 米軍から支援の申し入れもあった。災害時の米軍支援は前例がなく、村山首相は判断を躊躇したが、副総理兼外相の河野洋平氏=同(58)=が18日夜「前例がないからできないというのはどうか」と決断を促した。

 米国からは人員や機材の提供のほか、空母や医療船などを神戸港に入港させて被災者を救援する案も打診されたが実現しなかった。石原氏は苦々しい表情でその理由を話した。

 「神戸市の条例で神戸港に米艦船を受け入れるには核兵器搭載の有無を調べる必要があり、同市が難色を示した。政府が拒否したわけではない」

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 今年2月9日、東日本大震災で職員111人が犠牲になった岩手県陸前高田市の戸羽太市長(52)は、内閣府で行われた「災害時にトップがなすべきこと協働策定会議」で、被災経験がある首長10人を前に訴えた。

 「公務員は逃げてはいけないという観念を持っている。それでも逃げろと言うべきだった。やはり命を第一にしないといけない」。その言葉には、責任を一身に背負う自治体トップの孤独がにじむ。

 震災も水害も地域にとっては数十年あるいは数百年に1度のこと。まして首長の任期は4年だ。平成17年に被災首長による会議を発足させた兵庫県豊岡市の中貝宗治市長(62)は「職員は怖いので誰も助言してくれない。自分一人。素人がいきなりうまくやれるはずがない。サポート体制が必要だ」と語る。

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