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【Viva!ヨーロッパ】
ドイツのNHK、「ドイツ公共放送」難民少年逮捕の殺人事件報じず波紋 難民に寛容メルケル政権へ配慮か
ドイツでは最近、「リューゲン・プレッセ(嘘つきメディア)」とのスローガンがメディア批判で頻繁に登場するようになった。第一次世界大戦やナチス時代に使われた表現で、東部ドレスデンで反移民デモを行っているグループが使い出したのがきっかけだ。
「リューゲン・プレッセの下に伝統メディアを批判する扇動者を助長させる」。独週刊誌シュテルン(電子版)はARDの「沈黙」による「重大な影響」にこう懸念を示し、主要紙のターゲス・シュピーゲル(同)は「沈黙は選択肢にない。事実を伝えるより危険だ」と主張した。
週刊紙ツァイト(同)は外国人が犯罪を起こす比率はドイツ人より高いとの統計を示しつつ、「この統計を引用することは反難民感情の扇動か」と疑問を呈した上、「『人種差別』『ポピュリズム』との言葉を独善的に浴びせるより、統計の背景を考える方が有益」と指摘。都合の悪い事実であっても「取り上げるのが安定した共同体」のあり方だと強調している。