産経ニュース

【三井美奈の国際情報ファイル】老人に安楽死権を 福祉大国オランダが目指す危うい道 欧州に「姥捨て」が復活する日

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【三井美奈の国際情報ファイル】
老人に安楽死権を 福祉大国オランダが目指す危うい道 欧州に「姥捨て」が復活する日

オランダ中部の自宅で、アルバムを手に母の思い出を語るアルベルト・ヘリンハさん(三井美奈撮影) オランダ中部の自宅で、アルバムを手に母の思い出を語るアルベルト・ヘリンハさん(三井美奈撮影)

 オランダで安楽死は1994年、法に抜け穴を設ける形で容認された。昨年の安楽死者は5516人で、死者25人に1人の割合。小学生が「今日はおじいちゃんが安楽死するから」と言って学校を早退するのはごく普通のことだ。法は、(1)患者に耐え難い苦痛がある(2)治癒の見込みがない(3)患者が自発的に希望した-などの要件を満たせば医師は死なせてよい、と定める。決定権は医師にある。

 ここでいう安楽死とは、致死薬を注射するか、患者本人に飲ませるかして即死させることだ。人工呼吸器を外したり、鎮痛剤の投与で死期を早めたりする行為は日本では「尊厳死」と呼ばれるが、安楽死の範疇(はんちゅう)には入らない。

 安楽死の要件である「耐え難い苦痛」の範囲は過去20年余でじわじわ広がり、末期患者の肉体的なつらさだけでなく、痴呆や精神障害にも適用されるようになった。政府提案の背景には、アルベルトさんの母のように年相応に健康で医師に安楽死要求を拒否されても、「意識がはっきりしているうちに、自分の意思で死にたい」と訴えて自殺する高齢者が相次いでいることがある。医師に抗議して、絶食死する人すらいる。

続きを読む

このニュースの写真

  • 老人に安楽死権を 福祉大国オランダが目指す危うい道 欧州に「姥捨て」が復活する日

「ニュース」のランキング