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【にっぽん再構築・インフラが危ない(4・完)】韓国・釜山港に水を大きくあけられ…進む船舶大型化、接岸できない輸出基地

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【にっぽん再構築・インフラが危ない(4・完)】
韓国・釜山港に水を大きくあけられ…進む船舶大型化、接岸できない輸出基地

全国の自動車輸出の4割を占める名古屋港。老朽化対策と国際競争力アップの二兎を追うインフラ整備が動きだしている =名古屋市港区 全国の自動車輸出の4割を占める名古屋港。老朽化対策と国際競争力アップの二兎を追うインフラ整備が動きだしている =名古屋市港区

 26年夏から数カ月間隔で愛知県と名古屋市、トヨタなどが加盟する中部経済連合会の幹部らが上京。国交省や財務省に「単なる補修でもお金はかかる。投資効果を最大限にしたい」と、機能強化を前面に押し出したインフラ更新を訴えた。

 追い風となったのは、安倍晋三政権によるアベノミクスの成長路線。港湾と自動車産業の国際競争力向上は「共通の課題」と位置づけられた。金城ふ頭北側にレゴブロックをテーマとした観光施設が来春開業する計画も政府の観光立国政策と合致。「さまざまなタイミングが合って予算化が実現した」と名古屋港管理組合の担当者は明かす。

 青写真はこうだ。金城ふ頭の水深10メートルの岸壁を大型運搬船用に掘り下げるとともに、くし形のふ頭の“溝”にあたる部分を埋め立てて、貨物の保管スペースを新たに約20ヘクタール確保。埋め立てる岸壁の大半は老朽化部分とも重なるため、耐震性も高まる。

 月内に着工する工事が完了すれば、運搬船1隻当たりの自動車積載台数は約2800台から約6300台に増加する。182億円の事業費に対するコスト削減など経済効果は50年間で約500億円を見込む。

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 京浜、阪神の両港も基幹航路便数の大幅減に悩む。16年から10年間で港湾のコンテナ取扱数は世界全体で2・2倍。日本は1・3倍にとどまった。人口減や地元産業衰退に悩む地方の港湾はより深刻だ。

 国交省港湾局は「京阪神は大型船舶、地方の港はアジアなど近隣からの貨物船とすみわけを図り、日本の存在感を維持する」というが、中央大学の山崎朗教授(経済地理学)は「国交省の見通しは楽観的。産業や消費生活を支える海上物流ネットワークから取り残されれば、廃港を検討せざるをえない港も出てくるだろう」と警鐘を鳴らす。

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