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【リオ五輪】陸上十種競技の右代啓祐のコーチは布団職人だった 二人三脚で目指したアナログな練習とは

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【リオ五輪】
陸上十種競技の右代啓祐のコーチは布団職人だった 二人三脚で目指したアナログな練習とは

「青木理論」で右代を指導する青木誠一さん 「青木理論」で右代を指導する青木誠一さん

 走る、投げる、跳ぶ。全ての能力を求められ、優勝者は「キング・オブ・アスリート」とたたえられる陸上十種競技で日本選手団の旗手を務めた右代(うしろ)啓祐(30)が20位と健闘を見せた。その右代の走りをコーチとして指導してきたのが、東京都立川市で布団店「青木寝商」を営む布団職人の青木誠一さん(71)だ。

 青木さんが陸上を始めたのは、30代前半のころ。綿ぼこりの舞う職場環境が災いし、ぜんそくを発症したため、体力作りのつもりで近所をジョギングした。すると走ることの楽しさに目覚め、市民マラソンや記録会に参加するようになり、子供向けのマラソン教室をボランティアで始めた。

 平成24年4月、別の選手のコーチとして参加した東京選手権で、初めて生で右代の走りを見た。「巨体の割には、走りがコンパクトでもったいない」と歯がゆく感じた。その会場で偶然、右代と交際中で、後に妻となる女性が、青木さんのかつての教え子だと知った。こうした縁もあり、東京選手権の翌週に意を決し、右代にアドバイスをした。

 右代は投擲などに比べ、走る種目を苦手としていたこともあり、青木さんのアドバイスに真剣に耳を傾けた。ロンドン五輪から帰国した翌日には、青木さんを訪ねてきた。こうして、青木さんは右代を指導することになった。

 練習方法は独特だ。チューブに鉄の粉を入れた重りを足に巻き付けた状態で、店内や店先に設置された青木さんお手製のトレーニングマシンを動かす。シーツとレジャーシート、こうもり傘で作ったパラシュートを装着し、バランスを保ちながら走る。2枚重ねの布団に思い切り飛び込み、スタートダッシュの姿勢を身につける練習について、青木さんは「体操用のマットでは痛くなるが、ふわふわの布団だから気持ちいいですよ。これは布団屋でないとできない」と胸を張る。

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