産経ニュース

【野口裕之の軍事情勢】相模原市19人刺殺事件はナチスのT4作戦だったのか? 容疑者が感化されたヒトラーの歪んだ思想を紐解く

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【野口裕之の軍事情勢】
相模原市19人刺殺事件はナチスのT4作戦だったのか? 容疑者が感化されたヒトラーの歪んだ思想を紐解く

「津久井やまゆり園」で19人を殺害したとして逮捕された植松聖容疑者。「ヒトラーの思想が降りてきた」と話していた=7月27日午後、相模原市緑区(桐原正道撮影) ※一部画像を処理しています※ 「津久井やまゆり園」で19人を殺害したとして逮捕された植松聖容疑者。「ヒトラーの思想が降りてきた」と話していた=7月27日午後、相模原市緑区(桐原正道撮影) ※一部画像を処理しています※

 かくして、1939年以降、中止される41年までに少なくとも7万人が犠牲となった。が、中止後も秘密裏に、むしろ対象を「劣等民族」扱いしたロマ人(ジプシー)やロシア人、ウクライナ人らに拡大化して続けられ、総計15万人とも20万人ともいわれる人々の命を奪った。

 T4作戦に携わった要員は、後に繰り広げられるユダヤ人大虐殺《ホロコースト》計画に備え異動し、殺害方法や隠ぺい工作などで、再び非道に手を染めた。およそ人間の所業とは思えぬが、記録も残っており、残念だが事実だ。

 事実といえば、植松容疑者は通話アプリLINEで知人に、障害者を《生かすために莫大な費用がかかっています》などと、身勝手な自説を喧伝していた。これもナチスの考え方と一致する。

 そもそも、ナチスは権力を握ると「民族の血統を純粋に維持する」との思想に基づき、遺伝病や障害に悩む人々に「民族の血統を劣化させる劣等分子」のレッテルを貼り排除する、恐るべき計画を立てた。排除理由として目を付けたのが、ハンディキャップを背負った人々が必要とするケアで生じる「国庫・地方自治体の財政負担」であった。

 植松容疑者はまた、《会話が人間の文化であり、幸せの共有に必要不可欠なことです》《意思疎通ができなければ動物です》とも、LINEで発信していたが、植松容疑者は《会話》ができても《人間》とは思えない。たとえ《会話》ができずとも、《幸せ》な人々は大勢いる。反論や抵抗ができぬ人々を選び、いたぶる狂気はナチスそのものだ。

続きを読む

このニュースの写真

  • 相模原市19人刺殺事件はナチスのT4作戦だったのか? 容疑者が感化されたヒトラーの歪んだ思想を紐解く
  • 相模原市19人刺殺事件はナチスのT4作戦だったのか? 容疑者が感化されたヒトラーの歪んだ思想を紐解く

「ニュース」のランキング