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【満州文化物語(28)】夢の欧亜国際連絡列車が走る 世界を縮めた「1枚の切符」とは…

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【満州文化物語(28)】
夢の欧亜国際連絡列車が走る 世界を縮めた「1枚の切符」とは…

平成11年に再現運行された「欧亜国際連絡列車」(JR品川駅) 平成11年に再現運行された「欧亜国際連絡列車」(JR品川駅)

日露のせめぎ合い

 日本から満州を経てヨーロッパへ向かう、もう1つのルートは、日本海側の敦賀(福井県)から航路、ロシアのウラジオストクへ渡り、同国経営の東清鉄道(昭和10年以降は、満鉄が運行)-シベリア鉄道へ入る、というコースである。

 昭和15年、リトアニア駐在の外交官、杉原千畝(ちうね)が発行した「命のビザ」によって救われたユダヤ人の多くがたどったのは、この逆コースだ。ウラジオストクに着いたユダヤ人は、杉原と同じ哈爾濱(ハルビン)学院出身の外交官、根井三郎の計らいで敦賀行きの船に乗る。そこから横浜へ向かい、アメリカなどへ旅立っていった。

 古くは日本海の交易を担った北前船(きたまえぶね)の拠点として栄えた敦賀港は明治以降、日本海を挟んだロシア沿海州や朝鮮北部を結ぶ国際貿易港として発展してゆく。明治40(1907)年には敦賀-ウラジオストク間の定期航路(約40時間)が開かれ、間もなく、東清鉄道-シベリア鉄道を繋ぐ国際連絡運輸が始まる。

 だが、ここで「満鉄線」との競合が問題化した。日本は満鉄線と当時、ロシアが経営していた東清鉄道との連絡(乗換駅は「新京」(長春))を密にすることで欧亜を結ぶ主要ルートにしたい。《さもなければ満鉄は唯の地方的鉄道になってしまう…国際連絡を始めることは満鉄にとって死活問題であった》(「国有鉄道国際連絡運輸史」昭和12年鉄道省より)からだ。

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