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【満州文化物語(28)】夢の欧亜国際連絡列車が走る 世界を縮めた「1枚の切符」とは…

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【満州文化物語(28)】
夢の欧亜国際連絡列車が走る 世界を縮めた「1枚の切符」とは…

平成11年に再現運行された「欧亜国際連絡列車」(JR品川駅) 平成11年に再現運行された「欧亜国際連絡列車」(JR品川駅)

 当時、日本から満州へ向かうには、神戸か、途中寄港する門司から大連行きの日満航路の船に乗り、大連から満鉄線でハルビンへ向かうルートもあった。ちょうど、淑子夫婦が旅立った前月(昭和10年9月)には満鉄自慢の特急「あじあ」がハルビンまで延長運転を始めたばかりである。豪華な展望車や食堂車で「あじあカクテル」を優雅に楽しめたかもしれない。

 だが、淑子夫婦が「朝鮮ルート」を採ったのは速さが理由だったようだ。同書には、京都-ハルビン間が、朝鮮ルートならば「3日」、大連回りなら「4日」かかったことが書かれている。朝鮮ルートは、海路が短い分、満州へ行くには最速ルートだったのだ。明治45年には日本初の特急(新橋-下関)も導入されている。

 夫の幸四郎の口グセは「いつかオレはあの列車に乗ってパリへ行く」。鉄路の連絡は満州にとどまらない。明治末以降、日本とロシア(ソ連)、ヨーロッパ諸国が結んだ協定によって「1枚の切符」による国境を越えた国際連絡輸送はベルリン、パリ、ロンドンへと繋がってゆく。

 これによって日本-パリ・ロンドンは、約2週間の行程で結ばれた。太平洋航路-北米横断鉄道-大西洋航路ルート(1カ月弱)や、スエズ運河経由の海路(約1カ月半)に比べて大幅に短縮。ヨーロッパはぐっと近くなった。

 大正2(1913)年には世界一周、東半球一周の周遊券も発売を開始。満州は「欧亜をつなぐ十字路」「世界への玄関口」としてエキゾチックな文化を花開かせるのである。

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