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【日曜講座 少子高齢時代】労働力人口減少…国際分業や「質」への転換を 論説委員・河合雅司

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【日曜講座 少子高齢時代】
労働力人口減少…国際分業や「質」への転換を 論説委員・河合雅司

大きく変わる「顔ぶれ」

 3つ目は、労働力人口は絶対数が減るだけでなく、年齢構成、すなわち「顔ぶれ」も大きく変わる点だ。

 政府は「1億総活躍」を掲げるが、抽出速報によれば、男性の労働力率が3・0ポイント減ったのに対し、女性は0・2ポイントと微増だ。子育て世代で落ち込む「M字カーブ」の底も68・0%から72・4%に上昇した。働く高齢者の増加はさらに顕著で、65歳以上の就業者数は758万6千人(前回調査比27%増)となった。

 産業構造の変化も見え始めている。製造業が48万人減り、医療・福祉が98万4千人増えた。

 製造業は海外展開の拡大や大手メーカーの業績不振があり、一方で医療・介護は高齢社会を迎えてサービス利用者が増えた-などと分析されているが、ケアマネジャーやヘルパーといった職種が増え、きめ細かさといった女性の能力を発揮しやすい職場の広がりが構造の変化を呼び起こした面あろう。

 少子化が進むにつれて「若い力」の確保が難しくなれば、ますます女性や高齢者を織り込んだ企業は増える。高齢者マーケットも拡大するので、主力商品やサービスが変化し、仕事の進め方まで変わることも予想される。

 雇用制度を見直すぐらいでは、労働力人口激減への備えとはならない。「働くこと」に対する日本人の常識を大胆に変えていく必要がある。

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