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【福島第1原発】3カ月たっても効果見えず…凍土壁にはもう頼れない? 漏洩リスク高いタンクの使用継続も

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【福島第1原発】
3カ月たっても効果見えず…凍土壁にはもう頼れない? 漏洩リスク高いタンクの使用継続も

凍土遮水壁のイメージ 凍土遮水壁のイメージ

 東電は当初、今年度内に全てのフランジ型を解体し、継ぎ目がなく漏れにくい「溶接型」のタンクに置き換える計画だった。そもそも、フランジ型タンクの耐用年数は「5年が目安」(東電)だからだ。

 ところが、増え続ける汚染水に溶接型の建設が間に合わず、現在、ストロンチウムのみを処理した濃度の高い汚染水をフランジ型タンクに移送している。

 一方で溶接型タンクの一部では、放射性物質の濃度の低い処理済み水を保管している状況もあり、規制委の更田豊志委員長代理は、「ウサギを鉄格子に入れているのに、トラを木枠に入れていますという世界だ」と、その矛盾を指摘している。

 東電は、フランジ型タンクの汚染水の解消について「29年度中を目指す」とした上で、「1日4回のパトロールと水位計による24時間監視で、環境への漏洩は防げる」としているが、「漏れて当たり前」のタンクを使い続ける姿勢には、違和感を抱かざるを得ない。

もう限界…敷地埋め尽くすタンク

 福島第1原発では、汚染水計約85万トンをフランジ型と溶接型のタンク約1千基などで保管しており、敷地は既にタンクで埋め尽くされている。

 汚染水が増え続ける一方で、保管容量は無限ではないのだ。規制委の田中俊一委員長も「処理した水は海に捨てるという持続性のある形をつくらないと、廃炉は進まない」と再三指摘している。

 政府と東電は、トリチウムを除去する方法などさまざまな選択肢がある中で、汚染水処理装置でも取り切れないトリチウムを含んだ水(約60万トン)の海洋放出も検討している。今秋にも何らかの方針を示すとみられるが、実際の放出には事前の調査や必要な設備の建設に1年半~2年程度かかるとみられ、地元との協議や規制委による審査などでさらに長期化する可能性もある。問題は、そこまで持ちこたえられるかどうかだ。

 東電は「タンクの容量は当面確保されており、今後、凍土壁の効果もある程度期待できると信じている」としているが、そんな悠長なことを言っていて大丈夫なのだろうか。

 巨額の費用を投じた「氷の壁」の現実を、そろそろ直視しなくてはならない時期にきているのではないだろうか。

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