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【藤本欣也の韓国探訪】
港町・群山になお残る日本式家屋群 女性に人気の観光地だが、狙いは「敵産家屋」への「恨」にあった…
群山近代歴史博物館の資料によると、34年当時、米の域内生産量の53・4%が群山から日本や中国に輸送されたという。館内では「収奪された」と表現されている。
旧十八銀行群山支店前の案内板にも、「銀行の設立目的は日本植民地時代に日本へ米穀を持ち出したり、土地を強制販売したりするための金融機関とすることだった」と記されていた。
群山を観光で訪れた前述の女子大生、崔さんは「敵産家屋? 別に意識しません」と笑ったが、友人の朴さんは「私は日本を意識しました。群山に収奪の歴史があったとは知らなかったので…」と話していた。
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気を取り直して、郭係長に中国のことを質問した。群山には華僑が居住し、戦前から続く華僑小学校もあると聞いていたからだ。群山をはじめ、韓国の華僑のほとんどは山東省をルーツに持つ。ソウル近郊の仁川(インチョン)にはチャイナタウンが整備され、近年にぎわっている。